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売上原価と売上総利益

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売上原価とは、製品やサービスを生み出すために直接必要とされた費用を示す。売上高から売上原価を除いた利益が売上総利益(もしくは粗利益)とも呼ぶ。

 

例えば、製造業であれば、仕入れた原料の代金は材料費として売上原価に含まれる。その他に、製造に必要な設備に関連する費用(例えば減価償却費)や、生産に携わる労働者の人件費(労務費)なども、売上原価に含まれる。しかし、販売店に関連する費用は売上原価には含まれない。

 

一方で、外食産業であれば、仕入れた食材の代金(材料費)だけでなく、店舗の設備などに関連する費用も売上原価に含まれる。また、店舗で調理するスタッフの人件費も売上原価に含まれることが多い。

 

これらの会計処理の違いは、どこまでを製品やサービスを生み出すために「直接」必要な費用とするかについて、業種や企業によって考え方が異なるために生じる。売上原価を理解する際は、何が含まれているかを丁寧に把握することが重要と言える。

 

事業の観点では、売上原価に含まれる費用は変動費が多い点が重要である。変動費とは、製品やサービスの販売数量に応じて増減する費用のことである。例えば、饅頭の原価として材料費が1個あたり20円であれば、饅頭を10個作れば材料費は200円かかるが、作らなければ材料費はかからない。何が変動費かを把握できていれば、売上の見込みに応じて変動費も予測できる。

 

売上原価の水準は扱う製品・サービスやビジネス・モデルにより異なるため、異なる企業間で原価率(売上原価/売上高)や粗利率(売上総利益/売上高)を一律に比べても意味がない。製造業と小売業では、ビジネス・モデルが異なるため、売上原価の水準が異なることは当然である。しかし、類似した事業を行っている会社間で原価率や粗利率を比較することは意味がある。1%の原価率の差は、最終的に大きな利益の差につながる。

 

ただし、企業の経営が原価率の改善に集中しすぎると、視点がミクロになりすぎ、ビジネス・モデルのレベルで変化を考えることができなくなってしまう傾向がある。このような場合、まったく異なる収益性の高いビジネス・モデルで顧客ニーズを捉えた競合が参入してくると、あっと言う間に足元をすくわれるリスクがある。木を見て森を見ずには注意が必要だ。

 

(執筆 Y.F. 最終更新日 2017年7月3日)

 

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