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新社会人(と手垢のついた社会人)に送る言葉

カテゴリ: 経済・社会 作成日:2017年04月03日(月)

Chaplin Modern Times

 

通勤時に九段下駅を通るのですが、先週までは武道館で卒業式に出席する学生の、今週は武道館で入学式に参加する学生の姿を多く見ることができ、少し懐かしい気持ちになります。また、Facebookや新聞でも、新社会人へのメッセージをいくつか見ました。そうか、もう4月なのですね。せっかくなので、社会人として働き始めた時から私がずっと意識していることを、新社会人(と手垢のついた社会人)へ送る言葉としてしたためてみたいと思います。

 

1. 悪いことをしない

いきなり何のことか、と思うかもしれませんが、社会には悪い人がいます。それは、狭い意味では犯罪を犯すということ、広い意味では会社やお客さんに対して「本当にいいのかな?」と思うことに、上司の指示で手を染めるということです。これは、絶対にやめましょう。なぜなら、もしもあなたが犯した「悪いこと」が明らかになった際に、上司や会社はあなたを守ってくれないからです。昔は、会社が指示した悪いことが明らかになった時に、表向きは反省しながら、会社は悪事に手を染めた社員を守ってくれました。しかし、もうそういうことはできない時代です。あなたの人生をパァにして、会社や上司のために尽くしても何もいいことはありません。悪いことはとにかくやめましょう。

 

これは、私が社会人になる前に三井物産の「国後島ディーゼル発電施設事件」を見ていて何よりも強く感じたことですが、今日においても、東芝など事例をあげれば枚挙にいとまがありません。また、今日においてはこれをさらに、「会社や上司に滅私奉公しても意味がないと知る」と言い換えてもいいでしょう。上司が何を言おうが、あなたがうつ病になっても、上司は責任を持ってくれません。会社がつぶれて路頭に迷っても、上司も会社も責任をとってくれません(とりたくても、お金がないので、責任がとれないのです)。究極的には、自分の身は自分で守るという強い意識を持ちましょう。

 

2. 理想を持つ

なにごとにおいても、理想(もしくは目標)を持ちましょう。理想なくして、理想にたどりつくことはありません。若いうちは、一日も早く仕事ができるようになる、深夜残業をしないようにする、先輩の背中を見ながらどんな小さなことでも目標になるでしょう。より中期的には、年収〇〇は目指したい、ワークライフバランスを両立させたい、世界で活躍したい、子どもとの時間を十分に持ちたい、地方の実家に帰りたい、なんだって目標になります。そして、もっと大きく理想を持つなら、社会の〇〇の問題を解決したい、総理大臣になりたい(!)、世界平和を実現したい(!!)、なんだって理想になります。

 

大事なことは、理想を持つことです。理想がなければ、あなたは日々の仕事と人間関係に忙殺され、いつしか人生を漂流させることになります。忙しい毎日の中で、ふと立ち止まって理想や目標を思い直すことを大事にしてください。

 

3. 現実は理想とは異なることを理解し行動する

あなたがどんなに会社や仕事を理不尽に思っても、あなたはまだ何もわかっていない新人であり、あなたの先輩や上司はあなたよりずっと仕事のことも社会のことも人生のことも知っています。日本で現実に会社や社会を動かしているのは、経験豊富な諸先輩であり、緻密に構築された企業の論理であり、さらに法律や社会の慣習があります。あなたが世界平和を目指していても、現実には自らの主張を実現するために女性や子どもを利用するテロリストがおり、世界の秩序はアメリカの軍隊が維持しており、人間も動物ですから他人よりも自分が大事な生き物なのです。現実を知らずに理想だけを主張することが許されるのは子どもだけです。大きな理想であれ、小さな理想であれ、何かを実現するには、社会と世界のことをよく知らなければなりません。まずは、謙虚な気持ちで何でも吸収することを心がけましょう。

 

新社会人には、まずは「悪いことをしない」と「現実は理想とは異なることを理解し行動する」の重要性を強調したいと思います。人生の先輩からしっかり学び、しかし無理はするなよー。これがメッセージです。

 

しかし、手垢のついた社会人には、「理想を持つ」の重要性を何よりも強調したいと思います。あなたは、何をしたいのか?何を得たいのか?何のために生きているのか?これを問うことなく、現代において自分の人生を組織や社会から取り戻すことはできないのですから。

 

新社会人へのメッセージとして、もっと基本的なことを書くこともできます(何でもメモをとれ、遅刻するな、とか)が、そのようなことについては優秀な方が多くメッセージを発しているようなが気がしましたので、少し大きく構えた人生訓をしたためさせていただきました。

 

若いみなさんは前途洋々です。とまどいもあるでしょうが、すぐにスーツも馴染むようになりますよ。働くのは、結構楽しいものです。社会人の世界へようこそ、おめでとう。

 

働き方改革には差を生まない仕事の削減が必要

カテゴリ: 経済・社会 作成日:2017年01月09日(月)

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1月3日にテレビのニュースを見ていたところ、どのチャンネルだったか忘れましたが、Uターンラッシュで混雑する高速道路をヘリコプターから空撮した映像を流していました。上りが渋滞し、下りがすいている、盆や正月によく使われる映像です。私はその映像を見て、正月にこの映像を撮りに出た人はかわいそうだなあと思いました。

 

アメリカにいた頃の話ですが、あちらの報道番組を見ていると、その内容はともかくとして、映像へのやる気のなさに驚かされます。アメリカの報道番組でよくあるのは、スカイプを使ったテレビ中継です(誰もが使うスカイプですよ!)。画面の左側にキャスターが映り、右側にスカイプ画面でインタビュー相手(あるトピックに詳しい専門家であったり、あるいは国際ニュースであれば事件のあった都市に住んでいる人であったり)が映り、それで番組が進行するわけです。映像としては、当然ながらあまり面白くないし、スカイプなのでしばしば(かなり!)画像が粗かったりするわけですが、でもそれでニュース番組として何か支障があるかと言うと、大してないことの方が多いです。よほど現場の映像が重要であれば別ですが、そうでないのであれば、たいていの場合は誰が何を話しているかの方が重要で、スカイプの中継インタビューで特段の問題はありません。

 

話をお正月のニュースに戻しますと、確かにUターンラッシュの映像は、絵としては面白いです。しかし、正月の三が日にヘリを飛ばしてまでとる価値がある映像でしょうか(もしかしたら何かのついでの撮影なのかもしれませんが)。質問の仕方を換えれば、その映像にニュース番組としての付加価値があるでしょうか。付加価値があるかないかは、今回のケースであれば、「その映像があるから番組を見る人がどれだけいるか」で端的に判断されるのかなと思います。この点では、(毎回変わらない)渋滞の映像が見られるからこのニュース番組にチャンネルを合わせるという人はいないように思います。かつ、別の場所でしょうが、ヘリ中継の後に固定カメラで撮影した渋滞の映像も流されていました。固定カメラの映像があるなら、なおさらのことヘリの空撮は不要なのでは…。

 

働き方改革を行うには、アウトプットを減らすか、インプットの効率を上げる(働く延べ時間を減らす)かが必要なわけですが、日本はオーバークオリティな受け手から見て差別化につながらないアウトプットがかなり多いと思います。そんなことを、Uターンラッシュのニュースを見ながら感じたのでした(ヘリの方、3が日から大変お疲れ様でした)。