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翻訳に参加した『人事と組織の経済学・実践編』が刊行されました

カテゴリ: その他 作成日:2017年04月24日(月)

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私が翻訳に参加した『人事と組織の経済学・実践編』が、日本経済新聞出版社から発売されましたので、お知らせさせていただきます。私は3人の訳者のひとりで、お誘いいただいてこのプロジェクトに参加しました。他の訳者はビジネスにおいても英語においても経験豊富な方々で、私はプロジェクトの中で恥ずかしく思うことの方が多かったのですが、無事に出版にたどり着き大変嬉しく思います。ただ、MBA向きで学術書ではないとは言え、人事経済学のテキストを翻訳する作業はとても大変で、もう一度はやりたくないというのが正直なところです(苦笑)。

 

それはともかく!本書は、スタンフォード大学のラジアー教授と、シカゴ大学のギブス教授の共著で、「人事経済学」を、さまざまな現実の事例に適用し、そのエッセンスを難しい数式を使わずに学べるように書かれています。この本の優れている点は、ふたつあると思います。ひとつは、人事経済学のコアな考え方を、非常にシンプルに学ぶことができる点です。これは、私がシカゴ大学での学びで強く感じたことでもあるのですが、本当に優秀な研究者は、主題の本質を単純化した式や事例分析で驚くほど鮮やかに聞き手に伝える能力に優れています。この本でもそのような米国の研究者の優れた教え方が貫かれており、経済学を勉強したことがなくても、本書を通読することで経済学的な思考で人事と組織をどのように読むことができるか、見方を養うことができるでしょう。もうひとつは、本書が非常に体系的に書かれているという点です。人事と組織は、働いている人であれば誰もが感じるところのある、世界共通の話題ではないかと思います。ですので、本書で扱われているトピックのひとつひとつは、どこかで自分が話題にしたことがあったり、あるいはニュースや論説などで読んだことがあるような内容かもしれません。しかし、本書では、人事と組織の全体像が採用、育成から評価や退職まで体系的に描かれているため、本書を通読することで人事と組織に論理的にアプローチする際の考え方を包括的に学ぶことができます。

 

論理的に人事にアプローチするとはどういうことでしょうか?例えば、本書で一番はじめに描かれるトピックは、そこそこのパフォーマンスをあげる可能性が極めて高い候補者Aと、物凄いパフォーマンスをあげる可能性もあるが使い物にならない可能性もある候補者Bの、どちらを企業は採用すべきかという内容です。詳細は本書に譲りますが、簡単なシミュレーション(頭の体操)をしてみると、結論は「社員を容易に解雇できるのであれば、候補者Bを採用する方が企業にとって合理的」となります。また、試用期間の利用や報酬のインセンティブ設計の工夫により、企業にとって候補者Bを採用するリスクを減じてよりリターンを引き出すことが可能であることが、論じられています。はじめてここまで読んだ時に、私は本から顔をあげました。理屈で丁寧に考えれば、著者が主張していることはそのとおりだ。ということは裏を返せば、社員を解雇するのが難しいのであれば、企業はリスク回避的に候補者Aを採用するインセンティブを持つということだ。そうか、それが日本企業のやっていることなのか…。

 

これはほんの一例ですが、本書には採用から退職まで、このような分析が満載です。興味を持たれた方は、是非本書を手に取ってみてください。大変勉強になること、請け合いです。ただし!学術書ではなく平易な語り口とはいえ、本書は「超簡単」ではありません。また、本書は576ページもあり、ベッドで横になりながら読んでいると、本の重さで腕が痛くなり、さらに超ロジカルな内容にまぶたが重くなってくること請け合いです。是非、強い好奇心と覚悟を持って机に向かって読み始めていただきたいと思います。私も、もう一度通読したいと思っています!…が、見本が届いてから、まだ一度もしっかりと開いていません!威圧感があるので、本棚に記念に飾ってあります…。興味のある方と、読書会でも、しようかな?

 

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