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教えることの難しさ(起業半年の近況報告)

カテゴリ: プログラム 作成日:2017年02月01日(水)

 

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アッという間に2月に入りました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。先週は昨年末のクラスの参加者の皆さんと打ち上げを、今週は初回クラスの参加者の皆さんと新年会を行いました。トップページの(カメラの画質は悪いですが!)美味しそうな前菜の写真は、新年会の模様です。ワインメニューがなくお任せな大人なイタリア・レストランで、久しぶりにお会いした皆さんと楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

さて、創業からちょうど半年が経過しましたので、現状を簡単にご紹介させてください。創業当初から取り組んでいるのは、財務会計と企業価値評価(バリュエーション)を学べるコースの提供で、現在、3期目をご提供させていただいています。ご参加の皆さまのお仕事は様々ですが、事業会社やスタートアップの方が約4割、金融関係の方が約4割、ベンチャー・キャピタルや弁護士などプロフェッショナル・サービスの方が約2割、学生さんが少々という構成です。受講生の年齢は30代を中心に様々で、40代や50代の方もいらっしゃいます。私が50代で新しく会計やファイナンスをしっかり学んでみようと思うかと言えばそこまでチャレンジ精神が湧いてこないような気がしますので、その勉強意欲には頭が下がります。

 

昨年は2か月間の編成で第2期までコースを提供してきましたが、年始からの第3期は3か月にコースを再編しています。コース期間が長くなった分、今期は追加のコンテンツを作っていますが、昨年から扱っている既存の授業内容のコンテンツは開始時からそれほど変わっていません。扱っている企業事例も変えていませんし、コースの提供当初から一般に取得可能な情報に基づき分析対象の会社の経営者と議論ができるレベルで内容を検討・提供しているため、会社の方と直接議論するなど追加情報が得られない限りでできる議論は、当初よりほぼ出尽くしていると考えています(投資銀行でそのような仕事をしていましたので、分析や提案は得意です)。

 

しかし、教え方はかなり変えています。実際にクラスを開催すると、皆さんからフィードバックをいただき、私も教えながら多くの発見や反省があり、「どうすれば本当にわかってもらえるか」と自問自答しながらやり方を改善しています。手探りだった第1期では、同じ内容を扱う木曜日の授業と土曜日の授業で進め方をまったく変えたこともあります(その意味で、第1期の木曜日にとっていただいた方は、すべてが本当に手探りで申し訳ありませんでした)。第2期はコンセプト・チェックと呼ぶ「テスト」を導入し、会計の教え方も一新しました。今期は既存のプログラムについては第1期⇒第2期ほどの変更はないのですが、それでも確実に教え方を改善しています。

 

教える仕事をはじめて、「どう教えるか」は非常に奥が深く難しいと感じています。何かを「説明する」ことは、その分野のプロであればそれほど難しくないと思いますが、何かを相手に本当に「理解してもらう」ことは大変に難しいです。よく、私のコースが他の会計やファイナンスを扱う研修やスクールとどのように違うのかとご質問をいただきますが、大きく二つの特長があると考えています。

 

第一に、会計やファイナンスの「意味」をしっかりと学べること。教科書的な説明は、本も多くありますし、教えられる方も多くいますが、会計やファイナンスが実際に企業や経営にどのような「意味」を持つか、実務に「どのような考え方で」取り組むべきかをしっかりと学べる場はあまりありません。理由は、本当に経営の視点でこれらを扱える人は、金融や事業会社の経営層におり、フルタイムの教育の世界にほとんどいないからです。私のコースでは、投資銀行での経験を踏まえ、「意味」がわかるプログラムを作っています。

 

第二に、本当にわかっていただけるよう教え方に強いこだわりがあること。具体的には、ワークをやり抜いていただくビデオ講義・事前課題と、少人数授業でのアウトプットの組み合わせを丁寧に設計しています。実際に教えてみて強く感じるのは、この教え方の設計は「アート」の世界だということです。アクティブラーニングなど「本当にわかる」ための教育理論はポツポツとありますが、それを実際にどのように教える場で設計するかは、答えがなく、扱う内容や対象者、教える人によっても違いが出るため、非常に難しい課題だと感じています。私のコースは、まだ改善の余地はありますが、一般的な研修や授業とはやり方がかなり異なっており、そのようなフィードバックも頂戴しています。授業では私が皆さんにとにかく質問をしますので、受けていただく皆さんは正直大変なのではと思っているのですが、幸い皆さん楽しみながら勉強をしてくださっています。教える立場で一番嬉しいのは、(お金を頂戴することはもちろん有難いですが)皆さんがこのコースに価値を感じて、予習、授業、復習に多くの時間を使ってくださり、いろいろと質問をしてくださることです。価値を感じていただける学びを提供し続けられるよう、努めていきます。

 

最後に、昨年の受講生の方から最近いただいたとても嬉しい言葉をご紹介させてください。ある方は、「授業を受けた後、分析癖がついてしまって…」ということで、ある働き方改革で露出の多い会社さんを会計的に分析したお話しをしてくださいました。結論は、その会社は業界でのポジションが危なくなってきており、経営上の「必要性」があって、多く露出しているのではないかと(あまり細かく書くと波風が立つのでブログには書きませんが)。非常に納得できる分析でしたし、私としては何よりもそのように授業の内容を生かして考えていいただいていることが嬉しいです。また、ある方は、授業で学んだ内容を直接仕事で活かし、事業計画の作成業務の改善に取り組んでくださっています。

 

私の目標は、会計・ファイナンスだけでなく、「MBAレベルの実践的なビジネス教育」を多くの方に受けていただける場を作ることです。仕事ですぐに必要な方に有用な場であることはもちろんなのですが、MBAレベルのビジネス教育とは会社や経済の仕組みを地に足の着いた形できちんと理解することだと私は考えており、不確実性の増す時代において、より多くの方に学んでいただき仕事と人生を豊かにしていただきたいと思っています。コース設計はすでにしており、プログラム開発を進めていますがなかなか手がまわりきっていない状況です。自分だけで作れるコースには限界がありますので、そろそろ仲間を見つけていかなければと思っています。まだまだ至らぬことばかりですが、引き続ぎご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。