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学びにおけるタイミングの重要性

カテゴリ: キャリア・教育 作成日:2017年07月31日(月)

 

プリンシプルズ代表の藤波です。私は投資銀行でM&Aの第一線で働いていましたが、約1年前にMBAレベルの実践的なビジネス教育の会社を起業しました。「教える仕事」ははじめてでしたが、教えること、学ぶことについて、未経験だからこそ試行錯誤をして多くのことを学ぶことができました。実践を通じて考えたことについて、いくつかご紹介をしていきたいと思います。

 

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今回のテーマは、「タイミング」です。研修の内容が社員に届かない、授業を学生が熱心に聞かない、ときにはあなたのアドバイスが部下に響かない、これらには多くの場合において共通するいくつかの理由があります。その中で最も重要なことは、相手が内容を受け入れる準備ができているか、正しいタイミングか、ということです。

 

キャリアについての優れた考え方は多くの書籍にまとめられている

わかりやすい事例として、キャリアや就職活動のお話をしたいと思います。私は一時期、キャリアの考え方について文献を集中的に読みました。世の中に、優れたキャリア・アドバイザーが少ないような気がしたので、そもそもの考え方をしっかりと学んでみようと思ったのです。

 

その結果、キャリアについての優れた考え方は、だいたいのところ確立されていると私は結論づけました。この不確実な時代に「え!」と思われる方もいるかもしれませんが、世の中には、研究者にも実務家にも「良いキャリアを歩むためにどうしたら良いか」「仕事を通じて幸せになるには」というテーマについて人生をかけて取り組んでいる人が山ほどいるのです。

 

例えば、リクルートワークス研究所の大久保幸夫氏の『キャリアデザイン入門[I]基礎力編』は非常に優れていると思います(最近、第2版が出たようです)。キャリアを探索する筏(いかだ)下りと、ある程度の専門を決めて登る「山登り」の例えなどは、非常に明確かつ有用です。

 

もっとカジュアルな本では、例えば同じくリクルートでエグゼクティブ・サーチのお仕事をされている森本千賀子氏の『HONKI SWITCH ON 本気になれば人生が変わる!』も良い本です。自分が熱意を燃やせる仕事に就くことで変わる人と会社の事例が豊富に取り上げられています。

 

米国で著名なキャリアの本はリチャード・ボウルズ氏の 『適職」と出会うための最強実践ガイド』です。自分に合った仕事に出会うためには、というアプローチでパラシュートに色分けしたりするのですが、内容の本質はご紹介した二冊と同じです。

 

その他に、多くの本や記事で紹介される「一定水準を超えると年収よりもやりがいが幸せを感じるには大事」という説も、社会心理学では定説とされている他、私の周りの人たちを見ても違和感がなく、まあそうなんだろうなあ、と思います。キャリアの本は流行り廃り含めて多くありますが、このような「幹」の理論でお目にかからない新しい主張がなされることは極めて稀です。

 

以上で申し上げたいことは、キャリアで幸せになりたいのであれば、知っているべき考え方は本にだいたい書いてあり、特に奇をてらったことは何もないということです。これは、キャリアと人生は人それぞれであるものの、人と仕事の関係はわりとシンプルということに起因するのかもしれません。

 

なぜ、就職活動中の学生へのアドバイスは徒労に終わることが多いのか

さて、ここで就職活動中の学生を例にしましょう。これまた一時期、私は就活中の学生さんに積極的に会って、人生相談に乗ったり、キャリアのアドバイスをしたりしていました。その時に、キャリアについての大事な考え方を、学生さんにもわかるような言葉で、できる限り体系的にお話するように心がけました。学生さんに「これらの本を読んだらいいよ」と伝えるのはあまりに不親切かつ学生さんも忙しいだろうから、せめてかみ砕いて説明しようと思ったわけです。

 

しかし、その時にお話しした内容の99%は、学生さんに伝わっていなかったと思います。伝わったか伝わらなかったかは、相手の表情や受け答え、そしてその後の行動を見ていればわかります。なぜ伝わらないか?というと、理由のひとつは、アドバイスをしたタイミングが相手にとって正しいタイミングではないからです。

 

例えば、「自分の性格は簡単には変えられないので、性格に合った仕事をした方が幸せになれる」というアドバイスをしても、「性格に合っていない仕事をした経験」がないと、なかなか伝わりません。そこで、授業や部活など、相手にひきつけた例えで話をするわけですが、最後は「そもそも社会人として働いたことがないので仕事で求められることがわからない」というモヤモヤがあるので、やはり伝えるのは至難の業です。

 

自分でやってみて失敗した後が一番アドバイスの効果がある

では、いつがアドバイスをする効果的なタイミングかと言えば、それは相手が失敗した時です。例えば、面接指導で最も効果があるのは、「いけると思った面接がダメだった後」です。その瞬間は、「なぜ駄目だったのだろう」「次は失敗できない」という思いが強いので、学生さんはアドバイスを真剣に聞きますし、行動も変わります。

 

これは、仕事でも同じです。新入社員の指導で効果が最もあるのは、「あらかじめ指導したことを、新入社員が守らず失敗して、もう一度指導したとき」です(笑)。やんちゃな新入社員も、この時ばかりは「言われたことを忘れていて失敗した」という負い目と、「確かにアドバイスどおりにした方がいい」という思いがあるので、行動を変えます。

 

なお、先ほどのキャリアの場合は、「このキャリアは自分に合ってなかったかも…」と実感できるのは働き始めてしばらく経ってからなので、気づいたら時すでに遅しとなりやすいです。学生さんが相手のキャリア・アドバイスの最大のハードルは、そもそも学生さんは社会を知らないことであり、これは「学生さん」である限り、覆せないと思います。したがって、第二新卒で仕事を変えることを前提に、会社も学生も就職活動・採用に取り組むのが、社会として雇用のミス・マッチを防ぐという意味では最も合理的というのが私の考えです(なお、長期インターンをすればミス・マッチが減るという考えがありますが、米国の学部生を見ていると、効果がすごく期待できるとは私は思いません)。

 

研修も正しいタイミングで行うことが大事

私が事業とする企業研修においても、この「正しいタイミング」で行うことは、研修の効果を最大化する上で非常に重要だと思います。例えば、新入社員研修を入社直後に数か月単位で行う企業がありますが、そのやり方が最適かは検証が必要です。仕事をする上で最低限の内容は多少効率が悪くても事前に研修が必要でしょうが、それ以上の研修は、現場を経験して、「自分がいかにできないか」を知り、「実際にどんなことが仕事で行われているか」 を少しでも見てからの方が、圧倒的に効果が出ると思います。ただし、「最低限の内容」には、仕事によって差があるでしょう。営業であれば、ビジネス・マナーとパソコン・スキルで十分でしょうが、エンジニアの場合は基本的なプログラミングはできないとさすがに現場に入ることすらできないでしょうから。

 

より難しいのは、年次や役職に基づく研修です。特に年次は、人によって、仕事内容も成長スピードも異なるので、ただ集めて研修をすると「同窓会」で終わってしまう可能性があります。それぞれの人が自らの課題意識に基づいて研修を「選択」する手あげ式の方が、本当に参加者に役立つ研修という意味では望ましいでしょう。

 

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