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働き方改革は生産性競争の号砲(1)~人材育成への影響

カテゴリ: キャリア・教育 作成日:2017年07月12日(水)

 

先日、ある会社の若手社員の方を対象にビジネス・スクールのことやキャリアのことをお話しをする機会があり、その中で働き方改革は生産性競争の号砲というお話をしました。

 

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人にとっても会社にとっても最も希少な資源は時間

 

成長には仕事の質と量が必要

自分のことを振り返ってみると、これまでよく働いてきました。最初の会社でも遅くまで働いていましたし、投資銀行でも遅くまで働いていました(現在も、世間一般よりは長く働いていますが、若いときほどの労働時間ではありません)。一方で、自分が何かのスキルを身につけたり、思考が大きく成長したタイミングは、そのようによく働いた時だったと思います。結局のところ、成長には質と量の経験が必要で、それなりの量の良い仕事に、良い上司や同僚とともに取り組み、自分に負荷をかける期間が、成長のためには必要ということです。

 

ただ、同じ経験を若い人にお勧めはまったくしません。ずいぶんと昔の話ですが、平日は午前2時まで働いて休日出勤する生活を2ヶ月ぐらい続けると、だんだんと生気がなくなってきて世界がモノトーンになってきます。歩くのも面倒になってくるのでやたらとタクシーに乗りたくなったりとか(笑)。これはまったくお勧めできるものではありません。単純に不健康で寿命が縮みます。

 

インプットの仕方を変えずに働く量に制限がかかると

しかし、働き方改革により労働時間にキャップがかかると、「よくわからないから時間でカバー」ということができなくなります。加えて、そのように一時的に負荷をかけて成長するということもできないわけです。成長のために質と量が必要ということは、普遍的な真理と言えるので、すでに実力がある人は効率よく働けばハッピーでしょうが、これから力をつける人はどうしましょうという話になります。また、中堅層も時間を意識するようになるので、若手社員への指導(OJT)に割ける時間は必然的に減少するでしょう。若手社員にとっては、量だけでなく、先輩から学ぶという意味での質にもキャップがかからざるを得ないわけです。

 

それでも成長をしたいのであれば、それは業務外で自分に自分を投資するということになります。私がやっているビジネス・スクールという事業には、そのようにOJTで支えられなくなった会社内の教育ニーズを受け止めるという強い意義があると考えています。

 

働き方改革は日本企業の人材育成力を損なうリスクを内包している

よりマクロな視点で言えば、働き方改革は日本企業を弱くする危険があると思います。雇用の専門書には、成果主義の導入により個人業績が重視されるようになった結果、OJTが減少して日本企業の競争力が弱まったという記述がしばしば出てきます。働き方改革において「業績も仕事のやり方も変えずにとにかく早く帰れ」と命ずるのは無理な話ですが、仕事のやり方を変えて成果を出して早く帰るようにした場合であっても、OJTの減少による若手社員の育成スピードの低下という課題は容易には解決できないと思います。結果として、社外における教育・研修事業へのニーズは高まるはずです。

 

さらに考えを進めると、働き方改革は日本企業の採用慣習が欧米型に変化するひとつのきっかけとなる可能性があります。日本企業の新卒社員のポテンシャル採用は、これはこれで一定の合理性がありますが、社内でじっくりと育てられることが前提となったシステムです。とにかく成果を決まった時間であげられる人でなければという話になれば、採用時点で業務に関連するスキルをどれだけ身につけているかを問われる採用スタイルに徐々に日本企業が移行してもまったく不思議はありません。

 

OJTの役割の縮小は育成の外部化を招く

冒頭にご紹介した説明会では若い方へは「早く帰って毎日飲み遊んでいるだけだと10年後に苦労するぞ」というメッセージを結論としてお伝えしました。より広く社会人の皆さんへは学び続けることの大切さを、企業の経営者と人事の方には人材育成への取り組み方を抜本的に改める必要が早晩出てくることをお伝えしたいと思います。

 

つまるところ、行きつく先は企業による人材育成の外部化の進行であり、社員個人が自分の成長により責任を持たなければならない社会の到来です。当社としては、そこでしっかりと社会に貢献できるよう、本当に身につくビジネス教育を実践してまいりたいと思います。

 

※2017年8月7日に内容を一部修正しました

 

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