メニュー

あなたは何タイプ?『起業の教科書』で学ぶ起業のリアル

カテゴリ: 書籍など 作成日:2017年01月16日(月)

 

『起業の教科書』は、ベンチャー支援を行っているトーマツベンチャーサポートがまとめた、起業に必要なノウハウ集といった趣の本です。最終的に会社をスケールさせ、IPOや大企業への事業売却をイメージしているスタートアップ創業者や経営陣が想定読者だと思います。

 

q?_encoding=UTF8&ASIN=4822235874&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=principlesamazon-22

 

起業前後に決めるべきこと、チームビルディング、お金とファイナンス、PRといった項目について、起業イベントで話されるような具体的な内容が本書ではまとめられています。例えば、いま当社では、より多くの方に当社のプログラムを知っていただくための広告宣伝の方法について検討していますが、PRのセクションの内容は大変具体的で参考になりました。キャッチコピーと自社についての簡潔な説明の重要性がセクションのはじめに出てくるのですが、改めて表現しようとすると少し考え込んでしまったり(汗)、年末年始にかけてこの本に考えるきっかけを提供してもらいました。シカゴ留学中に、さまざまな起業家やベンチャーキャピタリストから、「現場の小話」や「やった方がいいこと、やらない方がいいこと」を聞いていたことが、自分で会社をするにあたって結構参考になっているのですが、この本は日本のベンチャーシーンにおけるそのような「役に立つ小話」を出来る限り体系的にまとめてくれているという印象です。

 

現場経験を踏まえていて面白いなと思ったのは、冒頭に出てくる起業家のタイプ説明です。起業家の傾向として、なぜその事業をするかのWhyが強いビジョナリー型、何を提供でるかのWhatが強い技術者型、どのように事業を形作るかHowを考えるのが強いアナリスト型、顧客のWhoばかりを考える営業・デザイナー型の4つの型が紹介されており、これらのすべてが揃わないと起業はうまくいかないと論じられています。職業人としての性格とリンクするところがあり、面白く、かつ納得感のある分析です。私の場合はどうでしょう、Whyが強くてその他は弱いようにも思いますが、自分自身のことは客観的にわからないので、何とも言えません。

 

起業の準備として本書では少し不足しているかなと思うのは、何を顧客に価値提供するか、何を顧客に売るかを考える部分です(逆に、それ以外の実際に起業する中で躓きそうな点へのアップトゥデイトなアドバイスは本書がお勧めです)。「何を売るか」「差別化できる事業とはどういうことか」について、私が一番記憶に残っているのは、起業に関連する本で初めて読んだ『シリコンバレー流起業入門』です(私が読んだのは初版)。

 

q?_encoding=UTF8&ASIN=4496049910&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=principlesamazon-22

特に、商品には「ビタミン剤」と「痛み止め」があり、「痛み止め」を事業にしなければならないという指摘は衝撃的で、今振り返ってみるとこの本から私の人生は大きな影響を受けたかもしれません。起業に興味がある方には、こちらも是非お勧めしたいと思います。

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

睡眠の深さを計測してグラフにすると

カテゴリ: 起業 作成日:2017年01月12日(木)

たまには軽い話題を。今年のテーマのひとつに生産性向上を掲げていますが、定期購読している週間ダイヤモンドの最新号の特集がたまたま「集中力」がテーマ!お昼を食べながら興味深く読んだところ、疲れをとることの重要性を説く記事があり、Sleep Cycleという睡眠の深さを計測できるソフトが紹介されていました(iOS版もあります)。自分の眠りの深さを見てみたかったのと、眠りが浅くなった丁度よい時に起こしてくれるという機能が良さそうだったので、ダウンロードしてみました。

 

丁度良い時に起こしてくれる機能は、音の設定がイマイチよくわからずまだ使いこなせていないのですが(汗)、自分の睡眠のグラフを見てみて衝撃を受けました。

 

まず、使い始めた日。

170112 1

グラフはいわゆるレム睡眠とノンレム睡眠を表しているらしく、深い眠り(Sleep~Deelp Sleep)が4回ぐらい?定期的にあると良い眠りなのだそうです。このグラフを見たら、おお、ほぼ完璧な眠りで、アプリいらなかったかな?(100円だったけど?)と思いました。ところが。

 

170112 2

なんだ、これは全然熟睡できていないではないか!きちんと計測できていないのではないか?と一瞬疑いましたが、確かに、この日は朝から疲れており調子が出なかったです。自分の眠れていなさに愕然としました。

 

170112 3

この日は、わりとスッキリと目覚められました。やっぱり、良いときは寝入った時のグラフの傾斜が深いような。

 

170112 4

これが今朝。今朝の寝起きはいまいちでしたが、睡眠の質もやはりいまいちだったようです…。

 

この他に、眠りの質を表すグラフも見ることができ、自分の実感と必ずしも合わない結果(気分よく目覚めたのに眠りの質は低いと出る)があるのはやや謎なのですが、少なくとも日々の計測された眠りの深さのグラフは信頼できるように感じています。思い返してみると、眠りが浅かった日は、前日の晩、終電近くまで会社にいて何やらしていた日だったりするのですよね。快眠する方法!といった類の情報はよく雑誌などでも見かけ、内容は常識的だと思っていましたが、いざ自分がそれをできているかというのをこのようにグラフで見せつけられると、振り返って何とかしようという気になりますね。私の友人が、数字で結果が出るとジムに行く気になる!と言っていたのを思い出しました。

 

気になる方は是非試してみてください。Android版は100円でペットボトル飲料よりも安いので、たとえ役に立たなくても価値は十分にあると思います(笑)。

 

=============

1月からの財務会計・企業価値評価ベーシックコースの参加者を募集中です。事前ビデオと資料の配布を開始しています。コース詳細およびパンフレットのダウンロードは、こちらをご覧下さい。

=============

 

Facebookで最新情報を是非フォローして下さい。

 
 
 

働き方改革には差を生まない仕事の削減が必要

カテゴリ: 経済・社会 作成日:2017年01月09日(月)

2

 

1月3日にテレビのニュースを見ていたところ、どのチャンネルだったか忘れましたが、Uターンラッシュで混雑する高速道路をヘリコプターから空撮した映像を流していました。上りが渋滞し、下りがすいている、盆や正月によく使われる映像です。私はその映像を見て、正月にこの映像を撮りに出た人はかわいそうだなあと思いました。

 

アメリカにいた頃の話ですが、あちらの報道番組を見ていると、その内容はともかくとして、映像へのやる気のなさに驚かされます。アメリカの報道番組でよくあるのは、スカイプを使ったテレビ中継です(誰もが使うスカイプですよ!)。画面の左側にキャスターが映り、右側にスカイプ画面でインタビュー相手(あるトピックに詳しい専門家であったり、あるいは国際ニュースであれば事件のあった都市に住んでいる人であったり)が映り、それで番組が進行するわけです。映像としては、当然ながらあまり面白くないし、スカイプなのでしばしば(かなり!)画像が粗かったりするわけですが、でもそれでニュース番組として何か支障があるかと言うと、大してないことの方が多いです。よほど現場の映像が重要であれば別ですが、そうでないのであれば、たいていの場合は誰が何を話しているかの方が重要で、スカイプの中継インタビューで特段の問題はありません。

 

話をお正月のニュースに戻しますと、確かにUターンラッシュの映像は、絵としては面白いです。しかし、正月の三が日にヘリを飛ばしてまでとる価値がある映像でしょうか(もしかしたら何かのついでの撮影なのかもしれませんが)。質問の仕方を換えれば、その映像にニュース番組としての付加価値があるでしょうか。付加価値があるかないかは、今回のケースであれば、「その映像があるから番組を見る人がどれだけいるか」で端的に判断されるのかなと思います。この点では、(毎回変わらない)渋滞の映像が見られるからこのニュース番組にチャンネルを合わせるという人はいないように思います。かつ、別の場所でしょうが、ヘリ中継の後に固定カメラで撮影した渋滞の映像も流されていました。固定カメラの映像があるなら、なおさらのことヘリの空撮は不要なのでは…。

 

働き方改革を行うには、アウトプットを減らすか、インプットの効率を上げる(働く延べ時間を減らす)かが必要なわけですが、日本はオーバークオリティな受け手から見て差別化につながらないアウトプットがかなり多いと思います。そんなことを、Uターンラッシュのニュースを見ながら感じたのでした(ヘリの方、3が日から大変お疲れ様でした)。

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

やっぱり戦略の実務の名著~『企業参謀(新装版)』

カテゴリ: 書籍など 作成日:2017年01月05日(木)

q?_encoding=UTF8&ASIN=4833416948&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=principlesamazon-22

 

今日、戦略コースの開発について打合せをするため、久しぶりに大前研一氏の『企業参謀』を読み返しました。

 

私がこの本を買ったのはいまから約10年前に、ITの営業をやっていた時です。当時は、あまりピンと来なくて読了することができませんでした。投資銀行の駆け出し時代は忙しくて読む時間と気力がとれず、はじめて本書を読み切ったのは留学中です。その時は、まだ自分で(小さいものであっても)事業の全体像を考え抜くという経験がほとんどなかったので、投資銀行での企業買収の経験を踏まえて含蓄の深い本だなとだけ思った記憶があります。そして、今回です。

 

私は、この本の名著たる所以は、企業戦略立案の「実務」の思考のプロセスが的確に深く表現されている点にあると思います。例えば、冒頭の戦略的思考入門という章は、旅行会社のパッケージ商品を「分解して」理解し、自分がどこに対価を払っているのかよく理解することが大事だ、という話から始まるのですが、そのわかりやすさ、あらゆる物事を分析する際に応用できる考え方の射程の広さ、どちらも素晴らしく、久しぶりに読み返して感嘆しました。例えば私が授業でよくお話しする「企業価値を評価する際は、何を前提としているのか、どのようなリスクを自分が受容した結果の評価結果なのか、を必ず理解する」ことも、この旅行会社のパッケージの話の延長線上にありますし、あるいは「長期の目標をいかに日々のタスクに落とし込んで日々の生産性を高めるか」も同じ延長線上にあります。本書では、戦略的思考入門に続いて、企業が戦略を検討する際に必要なプロセスと考え方が丁寧にまとめられており、実務の直接の参考にできます。

 

この本の勿体ない点は、この本の主な対象が経営者や経営企画であるために、扱う内容が「企業全体」「事業全体」の視点中心になっていることです。それが、この本に書かれている「戦略的思考」は多くの人に役立つ内容であるにも関わらず、私が営業マン時代にこの本を読了できず腹落ちさせられなかった理由のひとつでもあるでしょう。例えば、第2章の中期経営戦略計画やPPMの話は、会社全体を見る経験がないとピンと来ないと思われ、そのような役割を担う人はそれほど世の中に多くないと思います。一方で、その次に出てくる製品・市場戦略は、事業に真剣に携わる方であればどなたでも経験年数によらず本来は理解した方が良い内容だと思いますが、ただここだけ取り出しても、エッセンスがわずか17ページに凝縮されているため、やはり営業マンだった自分には理解が難しかったのかなと思う次第です。また、はじめの章にいきなり出てくる使用総資本利益率(ROCE)という考え方は、私が授業で扱うROICですが、これも授業に参加していただく皆さんの反応を見るとパッとは理解できないと思いますので、たまに出てくるこのようなテクニカルタームも本書を読みにくくしている理由のひとつだと思います。

 

とはいえ、少し読み手を選びますが、やはりこの本が名著であることに一点の揺らぎもありません。1970年代に出版された本ということで、ビジネス、あるいは商売の本質というのは、そんなに変わらないのだなということを改めて感じます(たぶん、アリストテレスの時代からそんなに変わっていないのだと思います)。

 

ところで、この本の一番最後(私が読んでいる版はAmazonで参照している版よりも装丁が古いのですが、多分あるはず)に、『附章 先見術 「成功パターン」を透視する必要・十分条件』という短い章があるのですが、これは事業を作るという観点では非常に面白いですね。大事業を生み出す優れた起業家・経営者には予言者のようなところがあり、細かな分析をしているかはともかく、以下の条件を満たしていることが多い、と、著者は書いています(以下、抜粋)。

 

  1. 事業領域の定義が、明確になされている。
  2. (将来の予言ではなく)現状の分析から将来の方向を推察し因果関係について、きわめて簡潔な論旨の仮説が述べられている。
  3. 自分のとるべき方向についていくつかの可能な選択肢のうち、比較的少数のもののみが採択されている。また選択された案の実行に当たってはかなり強引に人、物、金を総動員して、たとえ同じようなことを行っている競争相手がいても時間軸で差が出ている。
  4. 基本仮定を覚え続けており、状況が全く変化した場合を除いて原則を外れない。

 

これらを満たす事業は大成功することがあり、そのようにして事業を成した人を人は「先見の明がある」と言うということです。非常に深く、その通りだなと思う指摘です。 ちなみに、この章の中には、イノベーションのジレンマとまったく同じこともさらっと書いてあります。少し古い本ですが、是非多くの方に読んでいただきたいと思います。

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

新年あけましておめでとうございます

カテゴリ: プログラム 作成日:2017年01月04日(水)

170104

 

新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。

 

新年にあたり、今年の目標をいくつか定めました。目標というよりも、当社として「やらなければならないこと」という感じですが。その中のいくつかをご紹介します。

 

(1)新しいコースを開発し、4月より提供を開始する

昨年末のブログに記載のとおり、当社が提供するビジネス教育を「ひとりひとりが経営の視点を持ちリーダーシップを発揮するために必要な教育」と(ラフに)定義し、まずはエントリー~ベーシックレベルのクラスを大幅に拡充します。また、ベーシックコースをさらに実践していく演習のコースも準備していきます。

 

(2)ブログを週に3回以上投稿する

目標を2回、3回のどちらにするか思案しましたが、ストレッチ目標として3回以上を掲げたいと思います(今週は除く!)。今年は本の感想も増やしていきたいと思いますので、是非覗いてくださいませ。

 

(3)受講修了生向けのレターを2週間に1回以上送付する

当社のコースを修了された方を対象に、PBS Letterというニュースレターを書いています。どのような内容で作るか編集方針が定まっていないのですが(汗)、マーケット、経済ニュースや授業で扱った企業分析のフォローアップが中心です。昨年は3回しか発行できなかったのですが、今年は扱う範囲を広げながらもう少し高い頻度で、皆さまのお役に立つ(少なくとも楽しんでいただける)レターを発行していきたいと考えています。しかし、1月に2回発行すると、次回締切はもう1週間後ということでしょうか?なかなか、厳しいものが…。

 

さて、目標を定めたのは良いのですが、今日は昼過ぎに意気揚々と赤坂の日枝神社に初詣に行ったところ、あまりの混みっぷりに参拝を諦め明日の早朝に出直すことに!新年早々、格好悪いですね…。しかし、帰りに河鹿 (「かじか」と読みます。写真は外観)という、前職のお客さまに教えていただいた老舗の洋食屋で昼食をとることができたので、良しとしましょう。

 

そのようなわけで、今年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

リーダーシップと生産性~事業と自分の振り返り

カテゴリ: プログラム 作成日:2016年12月31日(土)

 

次期プログラムの開発と合わせて、年末は積読本の消化と既読本の再読に取り組みました。その中で、(手軽に読めるものの)改めて気づきを得たのが、伊賀泰代さんの『採用基準』『生産性』です。

 

q?_encoding=UTF8&ASIN=4478023417&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=principlesamazon-22 q?_encoding=UTF8&ASIN=4478101574&Format=_SL250_&ID=AsinImage&MarketPlace=JP&ServiceVersion=20070822&WS=1&tag=principlesamazon-22

 

リーダーシップを「周囲を巻き込み問題を解決する力」と定義するのであれば、『採用基準』は、「なぜ組織の構成員がみなリーダーシップを持っている組織は強いのか」をシンプルに解説している本です。私はシカゴ大学へ留学中にこの本をはじめて読みましたが、日本企業と欧米MBAを経験した後に読むと、日本企業と欧米企業の考え方の違いをクリアに捉えられ、非常に腹落ちする名著だと感じました。

 

年末に私は、「なぜ会計やファイナンスを多くの人に学んでもらいたいか」という問いを改めて考えていました。もちろん、仕事で必要とする人に学んでもらいたいというシンプルなモチベーションが事業の原点ではあるのですが、授業を行い多くの方と接する中で、もっと多くのビジネスパーソンに会計とファイナンスをしっかりと理解してもらいたいという意識を強く抱くようになりました。それがなぜなのか、自分の中でモヤモヤとしていたのですが、本書を再読し、ひとりひとりがビジネスにおいてリーダーシップを持つとは、やはりひとりひとりが経営の目線でビジネスを理解し行動するということに他ならないと強く感じました。そのためには、会計とファイナンスの知識が必要であり、だから多くの方にこれらを学んで欲しいと自分は感じていたようです。そのように考えると、多くの人が経営の目線を身に付けるために必要な学びの内容は、会計とファイナンスの他にもあります。年明けからは、プログラムの拡充に向けて動いていきたいと考えています。

 

さて、『生産性』は、重要なことに注力し効率の向上と付加価値の最大化をともに追求することがなぜ重要かを説明し、その方法論を著者の経験に基づきいくつか紹介してくれている本です。個人的には、今年の自分の「働き方」を振り返る良いきっかけになる本でした。独立後、多くの時間を事業に使ってきましたが、生産性の低さを感じることが多々ありました。もちろん、はじめて挑戦することばかりなので試行錯誤が多いのはやむをえないのですが、それを割り引いてもより効率よくアウトプットを高めることができるのではないかと感じていました。タイムウォッチを持ち出して仕事に要する時間を測るというエピソードなど、自分の仕事の生産性の捉え方と改善の具体的な取り組み方に多くのヒントを本書から得ることができました。いまは自分ですべてを決められる身であり、逆に言えばすべての結果は自分の時間の使い方次第ということになります。来年は自分の生産性アップを強く意識していきたいと思います。

 

最後に、『生産性』の「はじめに」に以下の一節があります。「ここでひとつ明確にしておきたいことがあります。それは、日本と米国の組織を比べたとき、リーダーシップと生産性以外には、その人材力や組織力を左右する決定的な要因は何もないということです。勤勉さや規律性の高さはもちろん、分析力や論理思考力、そして技術力から創造力まで、日本のビジネスパーソンの資質は極めてハイレベルです。あとはリーダーシップと生産性の重要性をしっかりと理解し、真摯にその向上に取り組めば、スタートアップ企業であれ大企業であれ、日本企業は今よりはるかに高い地点に到達できるはずです。」私は、この見方に心から同意します。日本企業の人と仕組みを変えるために貢献できれば、私にとってこれ以上に嬉しいことはありません。

 

本年は、本当に多くの方にお世話になり、有難うございました。起業は不安定なことばかりですが、多くの方に支えていただき、気にかけていただくことが、本当に心の支えでもありました。来年は、試行錯誤だけではなく成果も出さなければなりません。より一層多くの方に価値を感じていただける仕事ができるよう努力してまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

皆さま、良いお歳を!

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

感情が理屈を乗り越えるのは難しい

カテゴリ: ビジネス・仕事 作成日:2016年12月06日(火)

 

「ある男性Aさんは、ラーメンを食べることが大好きである。ラーメンを食べることが好き過ぎて、年間に500食はラーメンを食べている。これは彼の生き甲斐であり、日々ラーメンについてのブログを書いており、ラーメンが縁の友人も多く、この趣味をやめることは考えられない。さて、男性Aさんは女性Bさんとお付き合いしている。ひょんなことで出会ったAさんとBさんは、気が合い、お互いに公私ともに尊敬しあう良い関係で、そろそろ結婚はどうかなと考えている。しかし、女性BさんにはひとつだけどうしてもAさんを受け入れられない面がある。それは、彼女は健康オタクであり、油ギトギトのラーメンを日々食べる生活などは彼女の基準からすると考えられないのだ。今はお互いに忙しく週に1、2回会う関係だから良いものの(その時だけはAさんはラーメンを食べない)、さすがに結婚してもAさんが毎日ラーメンを食べ歩き週末も一緒にラーメンを食べる生活は考えられない。また、Bさんは夫婦で食事と会話をすることを大事にしたいと考えているので、週末に夫婦が別々に食事をするとか、あるいは同じ食卓で別のものを食べるということは考えられない。そんなふたりだが、ふたりともこころ優しくスパッと言い切れないので、ラーメンをやめてほしいという強い会話があるわけでもなく、結婚しようという決断の会話があるわけでもなく、日々は過ぎている…。」

 

さて、このお話しはフィクションですが、皆さん読んでどう思われたでしょうか。ふたりは、幸せな結婚生活を送ることができるように思うでしょうか。結論を申し上げると、私はこのふたりは別れた方が良いと思います。理由は、「感情が理屈を乗り越えるのは難しい」からです。ふたりが幸せな結婚生活を送るには、最低限の「ライン」(たとえば、主要な人生設計であったり、理想とするライフスタイルであったり)が共有できていなければなりません。我が家ではよく、「クリームシチューをご飯にかけるか」をめぐって夫婦で論争が起きますが、そのようなどうでもよい些末なことはともかく、そもそもどのようにお互いの時間を使いたいか、といった生き方のラインが揃っていないと結婚生活がうまくいく見込みは極めて低くなります。

 

さて、今回の主眼は(特に私の専門でもない)結婚生活の指南をすることではありませんので、冒頭のフィクションに話を戻しますと、Aさんはラーメン党であり、Bさんは健康オタクであり、これらがふたりの「生き方」そのもので変えられないとすれば、人間の時間は24時間365日であり、1日に人間がとれる食べ物の量には限りがある以上、世の中のすべてのラーメンが(当社のオフィスの近くのお店で提供されている)ヘルシーなベジタブルラーメンに強制的に転換されない限り、ふたりが時間の使い方に合意できることはありません。これは、「理屈」で考えれば明らかなことです。それであれば、ふたりは一刻も早く別れ、Aさんはラーメン党を認めてくれるパートナーを、Bさんは健康オタクとして許容できる生活を送るパートナーを、それぞれ見つけるべきです。要するに、変えられない所与の条件があり、理屈で考えてある取引がうまくいかないとすれば、ふたりがどれだけその瞬間は気持ちでそれを乗り越えようと思っても、結局はうまくいかないよ、ということです。ただし、例えばAさんの場合、ラーメン党を認めるパートナー候補がいたとしても、その人とAさんが良い関係になれるかは感情面でまた別の話です。

 

…実際に友人から聞いた例を、強引にラーメン党と健康オタクの話に置き換えたら、ちょっと納得度が落ちてしまったような気がしますが、いかがでしょうか。もともと私が聞いたのは男女のキャリア指向の違いの話で、その際私は、「キャリア指向がまったく異なる2人は、結局うまくいかないので、早く別れた方が良い」という話を友人にしました(その友人本人の話ではありませんでした)。「感情が理屈を乗り越えるのは難しい」という命題は、いろいろなシーンに当てはまります。例えば、私がM&Aの現場で学んだことのひとつに、「理屈で考えて当事者にメリットがあるM&Aでも、感情面で合意できずにまとまらないM&Aはある」けれども、「理屈で考えて当事者にメリットがないM&Aは、どんなに声の大きな人が旗を振っても、最後にはうまくいかない(誰かが不幸になる)」というものがあります。あるいは、事業を作る場合においても、「理屈で考えてもうまくいくかわからないビジネスが関係者の熱意によりうまくいく」ことはあっても、「理屈で考えてどう考えても顧客にニーズのないビジネスが関係者の熱意によりうまくいく」ことはありません。もしくは、「現在の環境に基づき想定される5年後の自分が、自分の理想と大きくかけはなれている」場合に、「そうはいっても現在の環境はそれなりに心地よいし環境を変えるのも大変だし」とズルズルとしていても、奇跡が起きて5年後に理想の自分になっている可能性は極めて低いです。

 

理屈で考えてもわからないことも世の中には多くありますが、理屈で考えればわかることも世の中には相応にあります。私はせっかちということもあり、理屈で考えて、ある程度結論を(decisiveに)出すということは、貴重な時間を浪費せず人生を豊かにするために大事だと私は考えますが、皆さんはどのように思われますか。

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

『現代文標準問題精講』~国語を学ぶとはコミュニケーションと思考を深めること

カテゴリ: 書籍など 作成日:2016年12月02日(金)

 

以前、就職活動中の学生さんにエントリーシートの書き方を助言したことがあります。その際に、表現や論理が、社会人、いや、大学生のレベルに達していないな…と感じるエントリーシートに出会いました。アドバイスをする際にエントリーシートそのものに手を入れることは基本的にしないのですが(そうすると、学生さんが自分で考えて思考や言葉を自らのものとする機会が失われてしまいます)、その時ばかりは指導のやり方を思いつかず、例文として書き方を添削してしまいました。

 

その時強く感じたのは、表現や論理が社会人として最低限のレベルに達しているかは、「国語力」の問題だということです。そしてふと、確かにそれは国語力だが、国語力というのはどうやって教えられるもだろうか…と疑問に思いました。その時、たまたま目に入ったのが、母校の先生が書いたこちらの本です。

 

神田邦彦著『現代文標準問題精講』旺文社 2015年

 

この本をパラパラと読んでみて(すみません、ガッツリと問題を解いてはいません)衝撃を受けたのは、「そうか、国語とはコミュニケーションを学ぶということだったのか!!!」ということです。例えば、わかりやすく文学の問題文をひとつ抜粋してみると、以下のような設問がありました。

 

「問四:傍線部5『とてもいいなぐさめを、ありがとう』とあるが、この言葉に込められたマイクの想いについて、七十字以内で説明せよ。(299頁)」

 

学生の頃は、「こんなこと聞いてどうするんだろう」…とまでひねくれたことを考えたことはありませんでしたが、社会に出てから振り返ってみると、これはコミュニケーションの練習そのものではありませんか。ある背景と状況のもとで、マイクがこのように言っている、それにどういう意味があるのか、あるいはマイクの発言がどのような背景からなされているかを考える、ということは、社会人のコミュニケーションとして日々行われていることです。まさか、国語の学習にそのような目的があったとは、考えたことがありませんでした。

 

ちなみに、私の理解では、国語によるコミュニケーションの教え方には、2つの考え方があるように思います。ひとつは論理的なアプローチです。本書でも文章構造に関する解説が何回か出てきますが、例えば、主張を説明する方法には、(1)具体例を挙げる、(2)言葉を換えて繰り返す、(3)対比的なものを利用する、の3つしかないという本書の主張は、普遍的な「論理」の考え方ではないかと思います(言葉を換えて繰り返すのが論理的に議論の補強になるかはやや疑問ですが、文章としてはありだと思います)。

 

もうひとつは、「慣習的な」アプローチです。例えば、本書では一番はじめに「『のである』文は最重要」と述べられています。では、なぜ日本語では著者が重要な箇所に「のである」をつけたがるかと言えば、これは「重要な主張には『のである』をつけるのだ」と私たちが教えられたからではなく、日本語に日々接する中で「どうも重要な主張には『のである』がついていることが多いような気がする」と私たちが無意識のうちに感じており、その無意識にしたがっているからではないかと思います。留学中に、英語が母語でない人の文章を読み、「このような表現はあまり英語で見ないなあ」と違和感を感じたことがあり、その時に、単純に「なじみがあるかどうか」が言語を理解する上では結構大事なんだなあと感じたのですが、それとまったく同じことです。国語を学ぶとは、私たちが無意識のうちに従っている言語の慣習を言語化して明示的に理解するということでもあると思います。

 

さて、本書に戻りますと、著者は国語を学ぶ効用としてもうひとつ、「さまざまなものの見方を学ぶ」ことの重要性を取り上げています。いやはや、そのような先生の高尚な意図をしっかりと理解していれば、学生時代の私も国語の勉強に励んだかもしれませんが、私は国語の授業をきちんと聞いていた記憶がほとんどないのです。先生、申し訳ありません。子どもの教育には参考にさせていただきます。

 

しかし、国語を十分に身に付けずに大学生になってしまった場合、どのように学びなおせばよいのでしょうか。私は証券会社時代に、「大概のことはOJTで学べる/教えられるが、英語をOJTで学ぶ/教えるのはかなり無理」と思いました。語学は、ある程度できるようになるまでにやらなければならない積み重ねがあまりに多いので、やっぱり基礎ができていないと職場では匙を投げるしかありません。日本語の学びも似たところがあると思いますので、どうしたものだろうと思います。今すぐにはどうもできませんが、いずれ取り組んでみたいテーマです。

  

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

『超一流アナリストの技法』

カテゴリ: 書籍など 作成日:2016年11月21日(月)

 

野崎浩成著、『超一流アナリストの技法』、日本実業出版社、2016年11月

 

本書は、銀行アナリストとして一線で活躍し続けた著者による、「仕事論」と「アナリスト論」です。著者は、一般の幅広い読者層を想定しているようですが、個人的には、金融の関係者で「エッジを立てる」ヒントを探している方や、アナリストの考え方を知りたい方にお勧めの本だと思います。

 

私が読んで特に面白く感じたのは、本書後半の著者の「アナリスト論」です。第5章に記載されたアナリストとしての企業分析とバリュエーションの視点は、教科書的な記載にとどまらず顧客(投資家)への説明力との関係が詳述されており、大変面白いです。アナリストの考え方は、ファンダメンタルズに寄りがちな投資銀行のバンカーよりもマーケットに近く、かといって実際に投資によりリターンを上げることではなく投資のアイデアやユニークな分析を顧客に提供することに重きを置いているため適度に分析的で、マーケットの見方への示唆に富みます。デュポン・システムの「オリジナル」版を作るという発想は、マーケットの「ジャーナリスト」のような立ち位置であるアナリストならではでしょう。ただし、説明がかなりシンプルなため、バリュエーションが一通り分かった上で読まないと著者の考えを理解するのは難しいと思います(詳細は別の著書で解説されているのかもしれません)。また、著者が強調する資本コストの重要性には同意しますが、その強調の強さは、資本コストが実際の経営に大きな影響力を持つ金融機関を担当してきた銀行アナリストという著者のバックグランドが関係あるのではないかと思いました。
 
第6・7章に詳述された、「優れたアナリストとは」(あるいはアナリストとして生き残るためのアドバイス)の見解も、大変面白いものです。例えば、266頁に記載された「アナリストのリテンションレポートやイベントに対するコメントのレベル」という図表を見て、過去に自分が触れたアナリストレポートを思い返してみれば、面白いレポートとそうでないレポートの差がクリアに整理できます。「逃げるのは失格」という一節がありますが、リスクをとってポジションをとることの重要性と、ポジションが外れた場合の反省の重要性は、形のない言葉のビジネスに携われた方であれば強く頷くところではないでしょうか。
 
この2章に記載された「優れた仕事」の考え方は、アナリストだけではなく、メディアや調査など「情報発信」という仕事に対して、かなり等しく当てはまります。私にとっても、自分の強みや、できていることできていないことを見直すとても良い機会になりました。基本は金融がテーマなので金融関係の方に参考になると思いますが、広く情報発信や形のないコンサルティングを手掛ける方にも参考になるかもしれません。
 
ちなみに、著者によると、アナリストは目立つため、個人投資家による賞賛や中傷がネット上に溢れることがあるそうです。著者のアドバイスは、「こうしたノイズに耳を貸すと、心は簡単に粉砕されてしまいます。アナリストになったら、ヤフーファイナンスの掲示板などはあまり見ないほうが良いでしょう」。アナリストという非常にタフな仕事で評価にさらされ続けてきた著者ならではの、アドバイスだと感じました。
 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください

信頼できる情報とは

カテゴリ: ビジネス・仕事 作成日:2016年11月16日(水)

大方の予測を裏切ってトランプ大統領が誕生し、連日新政権の情報が報道されています。しかし、特にこのような政治に関する情報を読む際には、その情報が「どれだけ信頼できるか」について十分な注意が必要です。

 

投資銀行(に限らず、情報を扱うプロフェッショナルなサービスではいずれでも同じと思いますが)では、「その情報が信頼に足るか」「信頼できると判断する(もしくは判断を留保する)のであれば、その根拠は何か」という点について、慎重な検討が求められます。また、IT企業で営業を担当していた際は、「情報を誰に確認したか」「情報の確度は高いか」が常に問われました。ビジネスで信用に足るコミュニケーションをとるには、いずれも重要なことです。このような経験と、私の個人的な考えから、信頼できる情報には大きく二種類があると考えています。

 

第一は、ファーストハンドの情報です。例えば、A氏の考えが知りたければ、最善の方法はA氏に直接確認することです。A氏への直接のコンタクトが難しければ、知りたい件に直接関わりA氏とやりとりする事情に明るい人物に確認することが次善の策になります。ファーストハンドの情報を得るためには、対象となる相手と信頼関係を築いている必要がありますし、また知りたい件についての文脈を理解している必要もあります。

 

第二は、因果関係への理解と過去のファクト・データや経験に基づく、優れた推論です。ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授の「イノベーション・オブ・ライフ」に、(本の趣旨のキャリア論や人生論とはまったく関係なく)以下の一節があります。

 

「理論とは『何が、何を、なぜ引き起こすのか』を説明する、一般的な言明だ。(中略)半導体市場での競争とテロリズムの世界的な広がりは、表面的には似ても似つかない問題のように思われる。だが実は、置かれた文脈が違うだけで、基本的には同じ問題なのだ。優れた理論の助けがあれば、分類と説明が、そして最も重要なことに、予測が可能になる。」

この指摘には目を見開かされました。マーケットのコメントにせよ、政治の解釈にせよ、ビジネスの分析にせよ、優れた解釈とは、過去の事実と結果があり、その因果関係を理解しており、それを現在の事実に適用して優れた見方や見通しが示されることを意味しています。優れた解釈を示すには、あるエリアの出来事を時間をかけて経験・咀嚼し、因果について考え抜く積み重ねが必要です。それが、ある分野のプロと呼ばれる人たちです。ファクトと因果への向き合い方には人により異なるスタイルがありますが、一例として、投資、政治、ビジネスのいずれの分野においても、歴史の探求に向かう優れた人々がいるのは、歴史がファクトと因果への思索の宝庫だからでしょう。

 

私たちは、世の中のすべての事象について直接知ったり専門家になることはできません。したがって、この二つの点で、「信頼できる」と感じられる人を見つけ、その人たちが発信する情報を追うことによって、信頼できる情報を入手し、考えていくことができます。(ちなみに、因果ではなく相関でものごとを語ることもできます。しかし、相関は大いに参考になるものの、因果がわからなければ相関が崩れる場合を見抜けない点に注意が必要です)

 

上記を踏まえれば、例えば「トランプは不動産で成功してきたビジネスマンなのだから、大統領としても現実的な判断をするはずだ」という説明は、ただの憶測で、井戸端会議の域を出ないことがご理解いただけると思います。政権移行チームからの直接の情報でなければ、少なくともトランプの考えや性格を身近でよく見てきた人か、もしくは現在のトランプ、共和党、米国が置かれている政治的なポジションを社会的経済的な文脈から分析できる人が、傾聴に値する情報を発信できる人だと考えます。

 

そして、これらに該当する人は、世界的にほとんどいないようです。世界中の専門家が予想を外し、トランプが本当に何を考えているかはほとんどの人がわかっていないからです。トランプ後のマーケットのラリーも、このような「わからない」状況が前提にあることに留意が必要です。しかしこのように考えてみると、マーケットや企業は、数字で結果が出るため、まだ与しやすいですね。政治や社会はあいまいな人間の世界なので、信頼に足る情報の取得や現状の認識も容易ではないと感じてしまいます。

 

============

1)「企画担当・事業マネージャーのための会計ファイナンスセミナー」(無料)を好評開催中。詳しくはこちらから。

2) コースの詳細はプログラム一覧パンフレットからご確認いただけます。

3) 法人向け研修を提供中。こちらのフォームよりお問合せください